コラム

プロ野球 球団の仕事とは?

プロ野球球団の仕事

全国に12社しかない! プロ野球 球団というお仕事とは?

男の子の憧れる仕事の一つ「プロ野球選手」ですが、その陰で、普段はあまり見ることのできない「プロ野球球団」というお仕事をご紹介します。
NPB(日本野球機構)によると、プロ野球球団は、全国に12球団あります。球団といえども企業ですから、株式会社として利潤を追求しています。
しかし、一般の企業と大きく違う点は、全国に12社しかない市場で、新たに参入することが困難という特異な世界。

さらに12社の間でライバル会社という概念もないので、あの球団を超えようということを考えることもありません。

 

プロ野球球団は、営業部門が稼ぎ頭

プロ野球球団の仕事は、大きく分けて「入場券販売」や「イベント企画・スポンサー営業」を行う営業部門と、「選手管理」や「試合運営」を行う運営部門に大別されます。
利潤を追求することを考えると、営業活動で得た売上から、選手年俸等の費用を支払い、残りが利潤になります。

 

「ファン」の声援は、選手にも球団職員にも届く

球団の売上の多くはチケット販売代金ですが、主催試合数と座席数でどんなに満員御礼が続いても売上の天井はあります。
売上をさらに伸ばすには、グッズと球場内での飲食物の上積が必要です。

そのためにも「ファン」を増やすことが大命題ですから、球団職員の多くは、ファンを意識しています。

例えば、広島東洋カープは、これまで入場券が売り切れることが少なかったのですが、「カープ女子」と呼ばれる女性ファンがブームとなり、平日の試合もすべて売り切れる年が続いています。
往復交通費球団負担(新幹線貸切)で広島東洋カープの本拠地であるマツダ スタジアムへ招待する採算度外視で関東地方のファンの心をつかんだ歴史に残る企画でした。

球場に多くのファンが足を運ぶことになれば、企業は、PR効果が出ることから、その試合に冠スポンサーとなることを考えます。
球団により金額は違いますが、1試合を冠スポンサーとして開催すると、ざっと1試合に2百万円以上の収入が球団に舞い込みます。

 

そんなプロ野球球団の営業部門が常に意識しているのが、「飽きの来ない球場」やイベントです。
いつ行っても何か発見のある球場やイベントを行うことで、野球観戦以外にも楽しめるボールパークであることが求められています。

先程の広島東洋カープでは、三世代が楽しめる球場というコンセプトに球場内に「赤ちゃん写真展」を開催するなど様々なイベントを企画し祖父母が孫と来場できるよう地道な球団職員の努力で来場者を増やしています。

 

常にファンに目を向けておくことでコアなファンを囲い込み、野球以外のイベントで新しいファンを取り込む両輪でいまのプロ野球球団というお仕事は成り立っています。
球団職員は、野球が好き、チームが好き以上に、ファンが好きであることが求められるものです。